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zoom RSS 犬神から病院坂まで

<<   作成日時 : 2007/05/24 17:12   >>

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市川崑監督の横溝正史原作金田一耕助シリーズ映画5部作をイッキミ(一気観)。とはいえ1日1作品。内容がおどろおどろしいですから。

金田一です
ちょうどそのころ、石坂浩二著「金田一です。」を手に取る。本は、30年ぶりに撮った新「犬神家の一族」の宣伝が主なのだが、旧作品群がなぜ5部作になったのか、どんな気持ちで演じたのか(金田一=天使だそうです)、心に残る共演者の話など、5部作を観るテキストとしても使える。

市川作品金田一5部作
@「犬神家の一族」(1976)
A「悪魔の手毬唄」(1977)
B「獄門島」(1977)
C「女王蜂」(1978)
D「病院坂の首縊りの家」(1979)

劇場公開ではさすがに観ていない。
すべてTV枠で観た。たぶん。一本一本いつだったかは覚えていない。。。

全作出演者
すべて石坂浩二の金田一耕助。
今回初めて知ったのは、「よし、わかった!」の加藤武は全作出演ながら、別人刑事の設定だった。同じキャラなのに毎回よそよそしくて不自然。
そして草笛光子。@の犬神梅子役では、モダンで綺麗な人だなぁと思ったら、B獄門島では、巫女役で野太い演技。とにかく、全作すべて印象に残る役。
印象に残るといったら、やはり全作おとぼけ役で出ていた三木のり平。おどろおどろしさの中の小休止的役割で、いつも”おばちゃんの中のおばちゃん”とセットで出てくるのだ。このおばちゃんのボケと三木のり平のつっこみが全作あって、これも驚き。おばちゃんはちらっとしか出ないので、「今回おばちゃんは出るの?」と変なところでヒヤヒヤしたが、全作出演。あのおばちゃんは、誰なのー?!

一番の作品
映画作品としての一般的評価は、日本の土着を描ききったAの手毬唄が一番のようだが、私は@の犬神。もう一度観るならやっぱりこれ。石坂浩二の優しさも、坂口良子の素朴さも、島田陽子のはかなげながら芯の強い感じも、高峰三枝子の気品も、すべていい。写真の三國連太郎も存在感あり。映像もまるで切り取られたかのように思い出せる。特にエンディングの音楽と場面も忘れられない。テーマ音楽もこれが一番。今回初めて知ったのだが、あのメロディは大野雄二だったとは。ルパン3世の。そういわれると、「カリオストロの城」で似たようなメロディあったような。。。

掘り出し作品
意外と楽しめたのが、Cの女王蜂。
あまり評判はよくないそうだけど、きっとそれは中井貴恵のせい。
華がなさ過ぎ。そして演技が下手過ぎ。
でも、それを補って余りあるのが豪華女優陣。豪華だなーとは思っていたけれど、なんと@ABの主演女優、それも大女優枠(勝手に命名)総出演!まるで映画「オリエント急行殺人事件」(これも好き!)
犬神の高峰三枝子、手毬唄の岸恵子、獄門島の司葉子。。。もうそれだけでわくわくもの。
中井貴恵のことは忘れられるぐらい。しかし、市川崑監督は、なぜ彼女を使ったのか。あんなに女優遣いがうまいのに。女王蜂あたりからリアルタイムで覚えていて、中井貴恵が化粧品会社とタイアップしたCMがばんばん流れていた記憶あり。そのせいか。しかしDの病院坂でも彼女を使っているので(やっぱり演技下手)、単にお気に入りなのかも。

横溝正史出演
原作者横溝正史が出演しているのが、@の犬神の那須ホテル主人。これは覚えていたけれど、Dの病院坂では本人役?でご出演。それも奥様とご夫婦で。
横溝正史ファンは必見のはず。
原作は、だいたい中学生のころに読んだ。特に「獄門島」は中学の先生が読み終わったからとくれた本だった。くれた先生のお名前と顔は忘れてしまったが(ごめんなさい)、中学生には驚きと衝撃だった。その後いろいろ読んだけれど、今でも一番の原作は「獄門島」。

大女優枠
しかしB獄門島の映画の方は、ちょっとがっかり。浅野ゆう子が熱演してたけど。@〜Dまで、すべて大女優が締めの役割だが、獄門島のそのポストである司葉子がどうも。。。役にそぐわない上品さのせい?薄幸役なのに薄幸に見えない。Cの女王蜂での大女優総出演でも、地味役とはいえ、一番地味だったし。
美しさで言えば、一番美しかったのはDの病院坂の佐久間良子。本当に綺麗でしっとりとした女優さん。共演の桜田淳子も演技と歌がうまくてびっくり。

心に残る富さん
最後に、石坂浩二が著書の中で、忘れられない共演相手としてあげていたのが、A手毬唄の磯川警部役の若山富三郎と岸恵子、B獄門島の大原麗子。
私も全作通して一番印象に残ったのが若山富三郎。
なんともいえない間のある、人間としての厚みのある演技。磯川警部の人柄が、説明なしですっと入っていった。
役もよかった。岸恵子にほのかな恋心を持っていて。。。
最後の駅の場面で、金田一が「リカさんを愛していらっしゃったのですね?」という問いかけに、富さん(勝手に愛称)は聞こえないように「は?」と答えるのだけれど、駅名がでかでかと「そうじゃ」駅。えーこれはわざとだと私は思うけど、M氏は違うと思うって。「そうじゃ」駅は実在するからねって。
こんなにねらったような名前なのにー。


しかし、横溝ワールドイッキミはきつかった。
実際夜うなされたし、極力夜中に場面を思い出さないようにするのがたいへんだった。ミステリー好きだけれど、本当はすごく怖がりで小心者。

満足度:★★★★☆
個別でいうと、@犬神:5、A手毬唄:4、B獄門島:3、C女王蜂:4、D病院坂:3。
こんな風に勝手に通知表をつけられる幸せも、こうして金田一5部作があるからこそ。
最初は1本のはずが、大ヒットして2本になり、3本目で市川監督のやりたい作品はすべて作ったはずが、好評で4本となり(だから4本目は豪華なご褒美のような作品に思える)、その後、横溝正史が新作を書いて5本になったと紹介されていた。5本あることに感謝。
日本の独特なおどろおどろしい土着風土と、戦争直後のある時代を切り取った証言者のような作品群。

金田一耕助の事件匣 市川崑×石坂浩二 劇場版・金田一耕助シリーズ DVD-BOX
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