キーツラブ

キーツ、きいつ、其一。
鈴木其一が好き。

今年の夏は向日葵づくしだった。
向日葵畑では向日葵に囲まれ、最後に向かい合ったのは其一の向日葵。
画像

畠山記念館所蔵の『向日葵図』。

新日曜美術館で鈴木其一を特集している回を観て、それまでも好きな画家として(酒井)抱一と其一と、いつも書いてはいたけれど、なぜ其一に惹かれるのか、ちょっとだけわかったような気がした。

其一は、抱一のお弟子さんなのだけど、その関係は師弟関係の前に主従関係だった。
抱一は、姫路藩酒井家の次男。
其一は、その酒井家江戸屋敷に仕える家臣。
主従となると、今までなんとなく想像していた”先生とお弟子さん”的ほんわり感とは違う。
それを伺わせるのは、抱一が亡くなり、抱一から開放された其一が旅に出て描いた作品の、自由でのびのびした絵。
やはり仕える身で描くのとは違うのよ。
とやたら人間味を感じるのだった。

其一の絵を見ていると、まじめな人柄と知性がにじみ出て、すっきりと凜とした感じが好きだったけれど、このエピソードを知ってからは、更に親しみが加わった。相手は大画家で天才なんだけど、小市民的悲哀なんかもあったりして。
実際、其一は弟子の面倒見もよい魅力的な人物だったらしい。
あ~やっぱり其一ラブだな。

そんなわけで番組内で紹介していたこの『向日葵図』がものすごく観たくなって、あまり興味がなかった『赤のやきもの展』(季節柄、向日葵図が特別出展中だった)に行ってきたのだ。

床の間の掛け軸風に展示されていて、畳に座って眺めることもできるのだけど、立って目線を向日葵に向けると、すーっとまっすぐな茎の向日葵が「こんにちは!」と明るく声をかけてくれているみたいで、こちらもにっこりしてしまう。そんな爽やかですっとした絵だった。
モダンな琳派。


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