映画「パフューム」はある人殺しの物語だった

2月16日よみうりホールにて、「パフューム ある人殺しの物語」試写会に行ってきました。

原作本の『香水―ある人殺しの物語』が日本で翻訳出版された当時、「翻訳ミステリー好きとしては、この話題の本は是非とも読まねばねぇ。」などと言いながら購入。しかし、この残酷で猥雑な香りにへきへきとして、途中の第1部終了で「もういいです。」と放棄。私にとっては曰く付きの本なのだ。どんなに残酷でも、先が知りたい、結末が知りたいと思って、だいたい読破するので、放棄とは珍しい。。。
理由は、おぞましさの底に、それを滑稽がる感じが読み取れて、そこに嫌悪感を抱いてしまったから。それと、おぞましい匂いの応酬にも。匂いの描写というのは、肌感覚というか直接的に迫ってくるというか、嫌な匂い不潔な感じはそれが例え描写であっても嫌なものなのだ。そう思わせた所が、この本の力、すごい所なのかもしれない。

さて、映画。
匂いを文章で表現して成功した(?たぶん)本に対して、こちらは映像でチャレンジだ!とばかりの意欲的な作品。
香りを音楽で表現。ということらしいが、嫌な匂い、嫌悪感は音楽というより映像が勝ってた。そして所謂”よい香り”は、音楽が盛り上げていた。音楽は心地よく、香りを奏でるならこんな感じでは?というのには成功していたけれど、匂い立つような表現とまでは、いってないかな。
猥雑さや赤毛の美女の美しさは映画ならではだった。
そして最後観終わっての感想。この映画は、題名通りの”ある人殺しの物語”だった。それ以上でも以下でもない。
故に、映画『パフューム』は原作『香水』を越えられなかったというのが私の判定。

原作が好きな方はもちろん、その挑戦、しかと見てやろう!体験しよう!という方にオススメ。
人殺しの物語なんか観たくないわという人は観ない方がいい。
おぞましい内容だから。。。
満足度:★★★☆☆

(余禄)
①主人公を演じるベン・ウィショー。その暗い瞳がどうしても杉本哲太を思い出してしまう(私だけ?)。でも、この人の鬼気迫る演技は凄い。
②ダスティン・ホフマンは、最初気がつかなかったよ。
③美しい死体の数々は『ツインピークス』を思い起こさせる。それくらい見せる死体になってた。
④結局、田山花袋の『布団』なんじゃないの?←読んでないんだけどね。
⑤もしくは、残酷なグリム童話か。
⑥18世紀のヨーロッパって本当に不潔。想像したくない匂い。香水で匂いをとり消そうとするところが。。。
⑦映画の中の香水作りの過程は興味深い。男性用香水作りの体験教室を思い出した。こちら

公式HPは、こちら

"映画「パフューム」はある人殺しの物語だった" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント