人生のきらきらを思う「シングル・マン」

ファッションデザイナーのトム・フォードの初監督作品にして話題作。
昨年の東京国際映画祭でチケットがすぐ売り切れて見られず、いつか観たいと待ってた作品。

コリン・ファース演ずるゲイの大学教授が、16年ともに暮らしたパートナーを交通事故で亡くして8ヶ月。
絶望の淵から立ち直れず、今日死のうと決心したその一日を描く。

普段通りの生活を送りながら、死の準備を着々と進める一日。
そうやって過ごす一日は、いつもと同じ一日だけど、最後の一日と思った瞬間から、死んだような心では感じられなかった生活の中の美しさ(きらきら)があちこちにちりばめられていることに気付いていく。

押さえた色調の画面がときどきほんの少し(あくまでも抑え目に)色づく。
それが主人公が美しいと感じる瞬間。
そういったわかりやすい演出なのだけど、なんといっても美意識が飛びぬけた監督だから(デザイナーですからね)、そのさじ加減が絶妙で、とにかく美しい。
特に、隣人の少女のあの美しいワンピースをスローモーションで映す映像!
そうじゃなくても、画面の隅々までセンスいいなーと関心してしまうもので埋められているというのに。
鉛筆削りの並んださまとか。
教授の家も素敵。
ジュリアンムーア(とってもチャーミング)のドレスも、コリンファースのスーツの着こなしも。

画面では、死んだパートナーとのモノクロの回想シーン。
斜めに走る岩肌にふたりが横たわり会話する。背景からふたりの横たわる位置まで完璧に計算しつくされてる。
もう芸術作品かと思った。
動画では、少女の縄跳びのスローモーション。
ずっと観ていたい気分になる。

もちろん映像のセンスの良さも楽しめるけれど、それだけじゃないところが。。。内容も素晴らしい。
愛するものを失ったときの埋めようのない喪失感をコリンファースがとても繊細に演じ、さらにはそんな最悪な状況下でも美しい人生を見せてくれる。

それと。
ふたりで読書しながらレコードを変えろとお互い言い合ってるシーン。
幸せはああいうところに潜んでるって思う。

満足度:★★★★★(満点)

美しい作品を観たという満足感と、どんな状況にあっても、人生いたるところにきらきらがあると思い出させてくれる映画だから。
映画の愉しみとして、結末の読めない部分も(あっけにとられて、やがて納得)。

公式HPは、こちら

この映画でコリンファースは絶賛されていて、今までなんとなく忘れちゃうというか覚えられない人だったけど、しっかり印象に残った。
ただ、観終わった後思い出そうとするとマストロヤンニが思い出されて。
かけてたメガネのせいかなー?

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