「赤と黒」ジェラール・フィリップの命日

11/25はジェラール・フィリップの命日。
とその日「赤と黒」の命日試写会に行って知る。

スタンダールの「赤と黒」を読んでいないし、ジェラール・フィリップのこと全く知らず。
でも、名作だし、ジェラール・フィリップのスチール写真がとにかく素敵で、デジタルリマスター版「赤と黒」公開のチラシを見て行こうかなと考えていた。
それが忘れた頃になって命日試写会(それもびっくり!)が当たる。

まず。
とっても長いよー。
182分(未公開シーン7分を含むって一体どこなのですか?)。
沈まぬ太陽」と同様、10分のインターミッションあり。
これだけ長いと2本分の量と質。
質というのは、長いと思わせず、2本の面白い映画を楽しんだと同じ満足感。

内容は、ジェラール・フィリップ扮する、生まれは貧しいが美しく知性と野心がある魅力的な青年が、身分の低さというハンディをはねのけ上を目指して生きていく様を、家庭教師先の人妻、秘書になった貴族の娘との関係と心の変遷で描いていく。
(筋を書くと楽なんだけど、そうするとネタバレになるので。いや名作だからネタバレもなにもないのかも。)

筋は、すごく単純。
でもこの物語は筋というより、青年の心の動きを丁寧に描き、人物のすべてを彫り上げるように描くのが目的かと。

最初、いきなり青年の心の声が聞こえてきて、そういう映画に慣れてないから、へ?と違和感を感じる。
でも、観ていくうちに対人のセリフよりも、心の声とそれに呼応するジェラール・フィリップの表情やしぐさがとにかく興味深く面白くて、映画に引き込まれてしまった。

例えば、人妻の部屋に忍んで行こうかという時に、「行くぞ!」と意気揚々とした途端「いくのやだな。」となったりして、滑稽なんだけど、そうそう心の動きってそんなもんだよなと納得するのだ。
「鐘が鳴ったら手を握っちゃえ。」とか「この人はとても綺麗だもの。」とか、その程度のきっかけなわけ?と思うけど、いや、人間の心ってそういうものなのだ。

笑いをとるために、ああでもないこうでもないという心の声が聞こえてくるコントがあるけど、実際にすべて人の心が聞こえてきたら、見も蓋もないような、それこそコントになるような内容なんだろうなぁ。きっと。
この映画を見て、人の心の動きなんて所詮こんな単純なことから始まり、あたかも複雑になったかのように感じるものだよな、自分を含めて、と思う。
とにかく、原作と、ジェラール・フィリップの演技の力が凄い。

相手役のダニエル・ダリューも素敵だったけど(最近の出演作「八人の女たち」も「ゼロ時間の罠」も観てるけど、あれ?どの人?)、とにかくジェラール・フィリップは素敵だ!!
知性溢れる顔つきと優雅な身のこなしと演技力。
でも一番なのは、その着こなし。
黒服がしびれるほど似合う(映画の中で赤服の軍服姿も素敵ねと言われてたけど、断然黒だよっ)。
もうこのお姿を拝めるだけで、大満足だ。
というわけで。

満足度:★★★★★(満点!)

11月末とは思えないほど暖かな夜。
帰り道、イルミネーションで飾られた銀座を歩きながら
「そうか。今日は命日。ジェラール・フィリップは50年前に死んじゃった人なんだよな。」とふと思う。
あれだけ一人の人間として鮮やかに(デジタルリマスターの力か)強烈に残っているので、すごく不思議な感覚だった。50年たっても映画の中で鮮やかに生き続けている人。
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伝記 著者:ジェラール・ボナル/堀茂樹出版社:筑摩書房サイズ:単行本ページ数:275p発行年月:19

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